【月経カップ体験談】子育ても競技生活も諦めず、できることを続けてきた結果が、今の私。デフスノーボーダー・花島良子さん

聴覚障がい者のオリンピック「デフリンピック」スノーボードハーフパイプや、スノーボード世界選手権などで数々の好成績をおさめるデフスノーボーダーの花島良子さん。結婚、出産を経て、今も選手として活躍し続ける花島さんを勇気づけたのは、友人の言葉と家族の存在でした。2023年の冬季デフリンピックでの金メダルを目指し、子育てと選手生活を両立するその暮らしには、生理のストレスにも柔軟に向き合う、花島さんの強さとしなやかさが垣間見えました。

愛用中の商品:エヴァカップ エヴァウェアスポーツ

Her Lifestyle

スノーボードと出会い、視覚障がいがあるからこそ大変だったことはありますか?

1998年の長野オリンピックを観てハーフパイプという競技を知り「面白そう!自分もやってみたい!」と思ったのが始めたきっかけです。しかし始めてみると、うしろから滑って来た人の存在に気づきにくく、ぶつかってしまうことがありました。 慣れた今でも、なるべく周りを確認するように気をつけています。

 

子育てと競技生活を両立するために工夫していることはありますか?

生理について話そう 子育てと競技生活を両立する花島良子さん

まだ息子が赤ちゃんだったころは抱っこしながらスクワットしたり、ダンベル代わりに「高い高い」したりしていました(笑)。歩けるようになってからは、一緒に身体を動かすことを意識しています。

今は、息子が学校に行っている時間に、パーソナルトレーナーさんが立てたメニューを自宅でこなしてます。特に大事にしているのが「イメージトレーニング」。繰り返し行うことで、久々に雪山で滑るときもすぐにいい感覚を取り戻せます。あとは、体力づくりのジョギングも欠かせません。

デフスノーボーダー 花島良子さん

実は、子どもができたら競技は続けられないと思っていたんです。しかし、友人からのアドバイスによって続ける決意をし、1年後には現在所属する会社に障がい者アスリート雇用という形で採用されました。うまくいかないこともたくさんありましたが、周りのサポートによってここまで諦めずに続けられています。

Her Period

競技や日常生活で、生理の困りごとはありましたか?デフスノーボーダー 花島良子さん

日常生活では、生理中に子どもと一緒にプールや海、温泉に入れないということですね。競技生活では、山頂にトイレがないことが多いので、なかなかナプキンを替えられないということ。また、常にナプキンを携帯していないと不安だし、動いているうちにズレていないかも気になって、集中力が削がれていました。夏のジャンプ施設での練習では、着地するエアーマットに水をかけるので、その水をナプキンが吸収して膨らむのが不快でしたね。

 

月経カップを使ってみていかがですか?

月経カップは、慣れるまで大変でした。まず届いた時に、思っていたより大きかったので「入るのかな?」と心配になりました(笑)最初はきちんと装着できず、睡眠中に漏れたこともありましたが、4回くらいで慣れましたよ。
これまで不快に感じていたナプキンによるかぶれやムレがなくなりました。何より月経カップは最長で12時間つけたままでいいので、雪山にいてもナプキンを替えなければいけないという心配がなく、トレーニングに集中できるようになったことはかなり大きな変化でした。 

 

エヴァウェアスポーツも使っていますよね?どのように使い分けしていますか?

エヴァウェアスポーツは、生理がそろそろきそうだなというときに履くようにしていて、生理がきたら月経カップを使い、また経血量が少なくなってきたらエヴァウェアだけで過ごしています。

実は、過去2回出場したデフリンピックが、両方とも生理の日に当たってしまったんです。そのときは現地で生理用品を調達したり、スタッフの方に分けてもらったりと大変な思いをしました。月経カップと吸収型サニタリーショーツはスーツケースの中で場所も取らないし、生理になっても安心して競技に集中できるので、次回は必ず持っていきたいですね。ゴミも減ってエコだし、気持ちよく閉経を迎えられるなと思っています。

Her Message

生理について、読者に伝えたいことはありますか?

所属するチームのコーチは全員男性で、以前は生理だと言いづらかったんです。でも共に戦う仲間に言いたいことを言えないままでは環境も関係性も良くならないという思いが強くなり、まずコーチに話してみたら思いのほかすんなりと理解してくれて。それ以降は生理による体のだるさや不調を素直に伝えるようになりました。夫も「イライラしているのは生理前だから」と理解してくれるようになってから、余計なケンカがなくなりました。

生理の辛さは人それぞれ。お互いの理解を深めることが、過ごしやすい環境づくりにつながります。障がいがあってもなくても、サポートしてもらうことに躊躇しないで欲しい。一人で抱え込まず、周りに気兼ねなく「助けて」と伝えることが大事だと思います。 

Her Dream

今後の夢や目標はありますか?

デフスノーボーダー 花島良子さん

お話ししたように、私がここまで諦めずに競技を続けてこられたのは、夫や家族、友人、コーチ、トレーナー、チームの仲間、会社の人たち、サポートしてくださるスノーボードメーカーさんのおかげ。私を支えてくれている周りの方々に恩返しできるように、2023年に開催予定の冬季デフリンピックに出場して、メダルを獲ることを目標にしています。

 

プロフィール

デフスノーボーダー 花島良子(はなしまりょうこ)さん

1979年生まれ、横浜市出身。1999年にスノーボードを始め、膝の大けがや、聴覚障がい者のオリンピックである冬季「デフリンピック」の2011年開催中止などを経て、2013年デフスノーボード世界選手権大会スノーボードハーフパイプ1位、2015年第18回冬季デフリンピックスノーボードハーフパイプ女子優勝。開会式において旗手を務める。同年、スノーボードハーフパイプに加え、スノーボードクロスもスタート。現在、2023年開催予定の冬季デフリンピックにて、スノーボードハーフパイプ、スロープスタイル、スノーボードクロスの三種目で金メダル獲得を目指し、日々トレーニングに励む。趣味は週に一度のテコンドー、映画鑑賞。

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